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* thread: 経営コンサルタント  * janre: ビジネス

* tag: プロフェッショナル 

* category: コンサルタント

プロフェッショナルとは vol.5. 

少し間が空きましたので、これまでの経緯はこちらでご覧ください。
では早速続きをどうぞ。

懸念が現実になった時、頼りになったのがヘルプメンバーの皆さんでした。
3名はランクこそ下位スタッフでしたが、
ストラクチャ構築や仮説検証に長け、品質改善に力を発揮するA君
図表・チャート作成に関して品質・スピードとも優れるB君
入社間もないもののデリバリー関連作業は経験豊富なC君 という顔ぶれでした。
A、B両君のコンサルタント経験はわたしより長く、
短時間で高品質の報告書を作成した経験が豊富であり、
プロマネが彼らをアサインした理由がよくわかりました。

これからの作業の分担、納期、進捗管理ルール等を簡単に協議すると、
彼らは一切の不満も口にすることなく
「時間がありませんから早速やりましょう」と力強く返事してくれました。

わたしは全体統括とコンテンツ作成のリードをメインに取り組みました。
そして報告書作成のアシストとしてA君を張り付け、
品質改善と図表やチャート作成のためにB君を活用することをタスクとし、
B君にはA君の了承を得て高品質な図表・チャート等のパーツ作成を、
C君にはプロマネレビュー済のコンテンツを体裁を整えて最終報告書として
とりまとめるよう依頼しました。

彼もやっと何とかしなければならない状況になったことを認識したようで
何か貢献しようという姿勢が見られるようになりました。
しかし、その時点で彼が作成したコンテンツや発案はわたしたちの眼にも
報告書に盛り込めるものではないことが明らかだったため、
彼の意見に耳を傾ける時間的な余裕がなくなっていました。

それでもプロジェクトの一員として何か作業を分担してもらうために、
B君とともに図表やチャート等のパーツ作成を依頼することにしました。
そして、B君とともにA君のレビューをクリアした図表やチャートは
コンテンツに反映することとし、
具体的な作業分担や進捗管理等はA君の指示に従うようお願いしました。

彼はさっそく作業に取り掛かりましたが、
図表やチャート作成がもともと苦手だったこともあり開始早々大苦戦していました。
クライアントの期待を上回る品質を維持するため、
まずA君、次にわたし、最終的にはプロマネのレビューをクリアしなければ
例え図表やチャートであっても採用はできません。

できるだけ早くプロマネレビューまで受けてもらえる体制をとっていたのですが
意外なことにA君のレビューをクリアできないことがほとんどで、
A君からフィードバックを受ける度、彼の表情が段々曇っていきます。
A君に状況を聞くと、
「正直、この品質でプロマネにレビューを依頼したら、
 わたしが叱られますので再考を促さざるを得ない」との回答です。

埒があかないのでA君に直接手を入れてもらうことにしました。
できる限り避けたかったのですが、本当にやむを得ず判断しました。
彼とっては屈辱だったに違いなく、不愉快な思いをさせて申し訳なかったと思います。
自分より下に見ていたわたしから指示を受けざるを得なくなっただけでなく、
下位ランクのスタッフにダメ出しをされた挙句、
コンサルタントの最大の腕の見せ所で実質的に舞台から引き摺り下ろされたのです。
彼の怒りがいかばかりのものか、理解はできます。

しかしプロフェッショナルとして課せられた責任を果たさなかったのは彼です。
納期までにプロマネレビューをクリアできる報告書を作成できなかったのは彼であり、
プロマネやヘルプメンバーまで巻き込むスクランブル状況を招いたのは彼自身なのです。
周囲に迷惑をかけた事実を棚に上げて膨れっ面をする資格はありません。
彼を傷つけたことは申し訳ないとは思いますが、
この判断はプロフェッショナルとして正しいものであったと断言できます。

全員を集め、再度役割分担を明確にしました。
報告書作成はわたしとA君、
B、C両君はわたしとA君から指示を受けてコンテンツのパーツ作成を支援、
彼には当初C君に依頼したデリバリー関連作業を行ってもらうこととしました。
つまり、全てのコンテンツ作成をわたしとヘルプメンバーが担当し、
彼には印刷と製本という単純作業をお願いしたのです。

彼以外の全員がフル稼働で作業するなか、
何もすることがなく手持ち無沙汰になった彼は少しの間PCに向かっていましたが、
「人と会う約束があるので、外出します」と言い出しました。

わたしは驚き、
「この状況で外出とは、いったいどういうつもりなんですか?」
と流石に声を荒らげて聞きました。

全員がフル稼働しても間に合うかどうかの瀬戸際だったのです。
残りわずかな時間で報告書作成を終えねばならないのに、
彼が抜けたら最悪の場合タイムアップとなる恐れさえありました。

本来、この状況で最も格闘しているのは彼だったはずで、
本プロジェクトには何の関係もないのに
急遽招集されたヘルプメンバーが必死になって
彼の不手際をリカバリしているにもかかわらず
この状況を招いた張本人が外出するなんて考えられません。

「全員で対処しないと間に合わなくなるので、
 申し訳ないが後日に変更してもらって・・・」
と話している途中で、彼は事務所を出て行ってしまいました。

わたしたちは唖然として彼を見送ったあと、
「もう何も彼に望むことはない」と決意し、
一層集中して報告書作成に取り組み、一気呵成に仕上げにかかりました。

2時間ほどして、彼が戻ってきました。
報告書作成のコアな部分はすでにプロマネのレビューをクリアし、
仔細な訂正や図表、チャートのブラッシュアップの段階に入り
大部分の知的格闘をほぼ終えたところでした。
少し緊張が解れ、デリバリー作業をしていたわたしたちに彼がかけた言葉は、
「ありがとうございました。わたしもやります」でした。
彼以外の全員から失笑が漏れました。

しかし、彼はいたって真剣だったのです。

そして、提出用に編成した最終報告書を読みながら
「この表現はおかしいので、やはりわたしが発案した表現に戻したい」
「メッセージはこの順序でいいのか再考したい」
「全体構成はこれでいいのか疑問を感じるので再検討したい」などと言い始めたのです。

外出の間に彼に何があったのかは今でもわかりませんが、
外出前の自信を喪失して狼狽していた彼の姿はもはやなく、
プロジェクト開始当時の自信満々で私など歯牙にもかけぬ態度に戻っていました。

若いヘルプメンバーの顔には戸惑いの表情が浮かび、
わたしも呆れてものも言えないなか、決然と申し渡しました。

「すでにプロマネの承認が済み、プロマネからクライアント様にエグゼクティブサマリも
 提出済ですから、誤字脱字の訂正以外を今から変更することはできません」

彼はあからさまに不愉快な表情をしてしばらく黙っていましたが、
「わかりました」とだけ返答したのち、
一切のコミュニケーションを拒否するかのように
自分のデスクでPCに向かい始めました。

その後、印刷後の製本作業を全員で淡々とこなし、
なんとか夜明けまでに仕上げることができました。
ヘルプメンバーの皆さんには、今でも感謝の念でいっぱいです。

こうして最終報告会の朝が明けました。
彼とわたしはヘルプメンバーに見送りを受け事務所を出発しました。
プロマネとは新幹線のホームで待ち合わせ、
クライアント様まで3時間ほど移動して最終報告会を迎えます。

道中の彼にはわたしもプロマネも失笑させられました。
爆睡です。それも大きな鼾つき。

一番働いてくれたのはヘルプメンバーなのに、
なぜか一番充実感を感じさせる彼の寝様を見ながら、
一度も労いされたことのないプロマネから
「お疲れ様でしたね」と言って頂けたのが救いでした。

「これからが本番ですから気を引き締めて臨んでください」
この言葉に頷きながら、私も1時間ほど仮眠をとらせて頂きました。
この後、コンサルタントの最大の晴れ舞台である最終報告会となります。



<つづく>
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