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* thread: 経営コンサルタント  * janre: ビジネス

* tag: プロフェッショナル 

* category: コンサルタント

プロフェッショナルとは vol.4. 

彼がプロジェクトに復帰してきた時には
プロマネの頭の中では最終報告書のドラフトがすでにほぼ完成しており、
彼は役員を対象としたコミットメント強化策の策定を、
わたしは社員を対象としたそれを、
それぞれ最終報告書にまとめることになりました。

最終報告書はクライアントの課題を解決する具体的な方針・方法を伝えるツールであり
コンサルティングプロジェクトの集大成です。
わたしたちコンサルタントが結論を導き出した思考プロセス、
論理展開、図表やチャート、キーワード等のコンテンツを
クライアントにご理解頂きやすい表現で作成することが肝要です。

THINK STRAIGHT, TALK STRAIGHTという言葉をお聞き及びかと存じますが、
クライアント様の考え方と行動を望ましいものへと変容させることができるよう
そして企業業績の向上と役員、社員の皆様の成長を加速させるよう
すべての想いをアウトプットしたもの、それが最終報告書なのです。

したがって報告書には担当コンサルタントの個性が色濃く現れます。
同じテーマでも複数のコンサルタントがそれぞれ報告書にまとめると
クライアントにご理解頂きやすい表現で作成するという大前提は不変ですが、
たとえテンプレートや統一フォーマットを使ったとしても
表現方法は別物になることがほとんどです。
語り口と同様、好みの表現も人によって違いますし、
仔細なところでは言葉の言い回しもその人独特なものがあります。

今回は彼とわたしで報告書を分担して作成するので、
予めコンテンツ作成ルールを決めれば効率的だろうと考えたわたしは、
彼にその旨を話して協議を依頼しました。
彼との協働の仕方をより丁寧に行うことで、
彼との間のわだかまりを解きほぐし、ストレスなく職務を遂行したかったからです。

しかし、彼は同意してくれませんでした。

協議したい項目については生返事をするだけで明確な回答をせぬまま
「プロマネからご指導を受けますので、何かあればプロマネに伝えてください」
という一言を残し、自分の担当職務を始めてしまいました。

ある程度予想していた反応だったので、
無理強いしても無意味だと考え、
協議すべき事柄がある度に彼に話しかけ、
彼の回答や反応を見て自分の表現を彼の表現に合わせる方法で
自分のアウトプット作成を進めることにしました。
各自が担当領域の報告書案を作成し、
プロマネレビューを経て必要な修正を加えるという方法で進めることにしました。

こんな様相で数日が過ぎ、最終報告会を間近に控えたある夜、
プロマネからメールが来ました。
わたしが作成した報告書はプロマネレビューをほぼクリア、
あとは報告書全体の統一感を確保する修正を待っている状況だったので、
突然のメールに驚きました。

「彼の報告書作成が遅れているので、ヘルプメンバーを3名アサインしました。
 ついては、3名への状況説明、指示および完了までの進捗管理をお願いします。」

至極簡単な文面でしたが、プロマネレビューをクリアできないことが度重なり、
報告書作成が計画通り進まなかったのだろうと推測しました。

比較的時間に余裕がある状況でハードなプロマネレビューを経験できたわたしは
切迫した状況での報告書作成は経験を活かして取り組むことができましたが、
彼にとっては初めてのプロマネレビューであり、
おそらく彼にとっても修羅場となっていたのでしょう。
プロマネとしてもタイムアップ寸前までは彼に品質改善を促していたのでしょうが、
これ以上は無理とのご判断で方針転換したのだと理解しました。

指示を受け、状況把握のために早速彼のデスクに赴きました。
しかし、彼の様子には修羅場にはまって大変という雰囲気は感じられず、
静かにPCに向かって何か思考している様子でした。

・・・これはまずい。

思考も行動も停止しています。

わたし自身も経験したことがあるこの状態は、
傍目には何かを考えているように見えますが、
その実は思考が錯綜、ループしていて、
何もアウトプットできない状態に陥っているのです。

・・・論理展開はご理解頂きやすいか
・・・伝えるべきメッセージの根拠となるファクトは同じレベルで列記できているか
・・・仮説検証結果に疑義は残っていないか
・・・チャートはキレているか
・・・クライアント様の期待を上回り、ファームの品位を保つ品質を維持できているか など

品質改善のために全力を注ぎ込んで夜も眠れなくなり、
夢の中でも仮説検証やチャート発案に勤しむ日々を過ごすうちに
こんな状態になることがあるのです。

このような状態はプロジェクト期間中でも比較的時間に余裕がある頃に経験するものですが、
わたしが同じ有様になっていたフェーズで彼は休養していたわけですから
彼はこのタイミングで思考停止に陥ってしまったのでしょう。

キレ者の彼がこんな状態に陥ることなどないと思っていましたから大変意外でしたが、
この状態では、文章、図表やチャート作成などほとんどできませんから、
報告書をまとめることなど期待できません。
ましてクライアントの期待を上回る品質を維持することなど望むべくもありません。

この状況を打破するには
・彼を再起動してアウトプット作成を促す
・彼が発案しきれないパートはわたしが代替作成する
・必要な図表やチャートをヘルプメンバーに代替作成してもらう
の3本立てで対処することが必要になると考えました。

まずは彼の再起動が最優先です。
そもそも彼にコンテンツ作成に取り組んでもらうことが本来の姿ですし、
彼から職務を引き剥がしてしまっては成長機会を奪うことにもなりかねません。
コンサルタントとしての腕前は修羅場を経験することでしか磨かれないので、
彼にはこの修羅場を克服してもらうことが大きな意味を持つはずです。
それに、落ち着いて思考暴走を鎮めることさえできれば
本来持っている優秀な能力を最大限に発揮して頂けるのではないかと考えました。

そして、彼の感情をこれ以上害さないよう言葉には十分気をつけて、
彼にプロマネレビューをクリアできなかったパート作成に再び取り組むよう要請、
1時間後にアウトプットを見せてもらうことでなんとか合意を得ました。

品質の問題はあるものの、事ここに至っては成果物さえあれば
プロマネにレビューして頂くよう無理にでもお願いするつもりだったので
窮余の策ではありました。

それに彼には今回の失点をリカバリしてもらう機会を提供することも考慮しました。
一旦は躓いたものの、本来の能力を発揮できれば優秀な人材であることは事実ですので、
何とか独力でプロマネレビューをクリアしてほしかったのです。
今ここを乗り切ってさえくれれば、
コンサルタントとしてのキャリアデザインの立て直しは十分可能でしたから
その機会を設けたつもりでした。

しかし、この状況を招いた彼に全てを賭けるリスクを放置することもできません。
自分の経験を振り返れば、プロマネはレビューの際必ず何らかのアドバイスを
フィードバックして下さっていたはずです。
ストラクチャ構成、論理展開、仮説検証、望ましい表現方法など、
初プロジェクトで混乱している彼に対して
おそらくはわたしに対するよりは丁寧に(笑)伝えて頂けたことと推察しました。
にもかかわらずこうなったということは、
インプットされた知見をクライアント様にご理解頂きやすいように
アウトプットすることが不得手であろうことが考えられるのです。
インプットに優れた方でも必ずしもアウトプットにも優れているわけではないのです。

そして出した結論は、
彼の担当パートをわたしが代替作成することを同時並行して行うことでした。
プロマネには予めこのような対処を行う旨の承認を頂いてから
わたしがストラクチャを作成、プロマネレビューを受けて了解を得たのちに
コンテンツ作成をヘルプスタッフにも分担してもらって準備しておくことにしました。
そして、彼が作成してくれたコンテンツの中で利用可能なものがあれば
自分たちが作成したものと差し替え、彼の意向を尊重しようと考えたのです。
ヘルプスタッフの皆には、彼には悟られないよう行動することを指示しました。

そして1時間が経過し、彼から成果物を見せてもらいました。
限られた時間ですから、ストラクチャ全体と必要な図表、チャートの骨子程度が確認できれば
それで了とするつもりだったのですが、彼が作成できたペーパーはほんの数枚程度、
しかもそのパート以降はストラクチャさえ作成しておらず、驚愕のノープラン、、、
わたしとヘルプメンバーは、言葉を失いました。



<つづく>
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